アイネクライネナハトムジーク(伊坂幸太郎/幻冬舎)

スポンサーリンク

それはまさにモーツァルトの「小夜曲」と同じ

多くの人が一度は見たり、聞いたり、経験したりしたこと。なんとなく、いつのまにか知っている、存在していた、存在しているもの。言わなくてもなんとなくわかる共通項。 人との繋がりやそれに伴う影響があるのは当たり前なのに、小説という形になるとより心に響く。文字に起こすとちょっと恥ずかしくなるような詩も歌にのせれば人の心を大きく揺さぶるように、この本も紙の上で文字が踊りだし、登場人物たちが鮮やかに動き出し、僕の想像力をかきたて、心を動かす。 何がきっかけで変わるかわからない

音楽も小説も人を突き動かす力という意味では同じ超能力

自分にはそんなつもりもなく、力もないと思っていても誰かを励ましているかもしれないし、傷つけているかもしれない。筆者はこの本でそれに善悪をつけているわけではないが、弱者に側に立って書き連ねる。時間が立ってみないとわからないことが多い中で、何がきっかけで変わるかわからないし、変わることができるんだということを教えてくれる。

それぞれ違う話の登場人物たちが繋がっていく様は、もちろん面白いのだけれど、それはこの本の魅力のほんの一部に過ぎず、本当の面白さは、やっぱり人の心を動かすストーリーなのだと思う。この本が、また誰かを勇気づけることになれば良いのにな、と素直に思う。
超能力は出てこないけれども「砂漠」に似ているような良作。音楽も小説も人を突き動かす力という意味では超能力だと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました