
ダイナー (平山 夢明/ポプラ文庫)
それはまさにモーツァルトの「小夜曲」と同じ。多くの人が一度は見たり、聞いたり、経験したりしたこと。なんとなく、いつのまにか知っている、存在していた、存在しているもの。言わなくてもなんとなくわかる共通項。 人との繋がりやそれに伴う影響があるのは当たり前なのに、小説という形になるとより心に響く。文字に起こすとちょっと恥ずかしくなるような詩も歌にのせれば人の心を大きく揺さぶるように、この本も紙の上で文字が踊りだし、登場人物たちが鮮やかに動き出し、僕の想像力をかきたて、心を動かす。 何がきっかけで変わるかわからない